歯並びの悪い3人の男

物語には、たいてい分かりやすい役割が用意されている。
勝つ人。
決める人。
導く人。
でも、どうしてもそこに当てはまらない人物がいる。
のび太。
石崎。
カンダタ。
彼らは弱者でも、反逆者でもない。
ただ、噛み合わない。
噛み合わない3人
この三人を並べたとき、
一番しっくりくる比喩は、歯並びだと思う。
一本一本は間違っていない。
欠けているわけでもない。
でも、全体として噛み合わない。
無理に揃えようとすると、
どこかが痛む。
のび太:正しさの中心で、できない
のび太は、正しい。
地球を守りたい。
誰も傷つけたくない。
敵であっても、切り捨てたくない。
だから、撃てない。
行動力はゼロに近い。
テストの点数みたいに、きれいに低い。
それでも彼は、逃げない。
その場に居続ける。
正しさの中心に立ったまま、
動けなくなる。
これは欠点だ。
同時に、ごまかさなかった結果でもある。
石崎:できる。でも、うまくはない
石崎は、できる。
才能はない。
スターでもない。
勝敗を決める役でもない。
それでも、飛び込む。
顔面で止める。
止まるかどうかは分からない。
正解かどうかも分からない。
ただ、
覚悟の温度をぶつける。
その一瞬で、
- 日本代表の空気が変わり
- 敵である西ドイツの闘志にまで火がつく
勝負の観点だけで見れば、
余計なことかもしれない。
でも、場は動いた。
カンダタ:やらないと、生きていけない
カンダタは、正しさの輪に入っていない。
選ばれていない。
許可もない。
物語の正統ルートにも乗れない。
だから盗む。
宝箱を奪う。
それは悪だ。
でも同時に、生存条件でもある。
彼は正しさを語らない。
語れない。
ただ、
やらないと生きていけない。
誰が正しい?
この三人を並べて、
誰が正しいかを決める意味はない。
- のび太は、できない
- 石崎は、できる
- カンダタは、やらないと生きていけない
違うのは能力じゃない。
立っている場所だ。
マインドは、のび太でいい
多くの人は、
自分が動けないことを責める。
もっと割り切れれば。
もっと冷たくなれれば。
もっと決断力があれば。
でも、
のび太のマインドは間違っていない。
切れない。
割り切れない。
正しさから逃げない。
それは弱さじゃない。
誠実さだ。
行動は、石崎くらい雑でいい
一方で、
行動まで完璧である必要はない。
石崎の顔面ブロックは、
- 再現性がない
- 戦略でもない
- きれいな成功例でもない
ただの無茶だ。
でも、
場を変えた。
だから、
正しさを100点にしてから動かなくていい。
行動は、石崎くらい雑でいい。
カンダタにならなくていい
生きるために盗む場所まで、
降りなくていい。
そこは強いが、自由じゃない。
のび太の場所で考え、
石崎の方向に一歩出る。
歯並びは悪いままでいい。
無理に矯正しなくていい。
勝つ方法はそれぞれ
この三人は、
勝ち方を与えられなかった男たちだ。
だからこそ、
- きれいに終わらない
- 正解を提示しない
- でも、物語を動かしてしまう
噛み合わない。
だから、忘れられない。
正しさの中心で立ち尽くす人。
覚悟の温度をぶつける人。
生きるために盗む人。
歯並びの悪い3人は、
たぶん今日も、どこかで場をズラしている。

新村 裕介
株式会社SPINNA BAMBOO 代表取締役
飲食店の調理師、店舗の工事会社、大手不動産系列の建築デザイン会社、
大手什器メーカーのPM部門を経て、2022年8月 株式会社 SPINNA BAMBOOを設立。
ブランドショップの工事担当から、オフィス入居の法人営業、ビル改修のコンストラクションマネージャー、
総予算100億円を超えるオフィス移転のプロジェクトマネージャーまで、多種多様な実績を積んできました。
この長年の経験を活かして、常にプロジェクトの入口から出口までの一気通貫した全体視野を持ちながらも
それぞれのステージに必要な役割に特化した、専門性の高いパフォーマンスを発揮します。
また、某大手IT企業での総務マネージャー経験もある為、インハウスの目線で課題を掴む事も得意です。

